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映画「あなたに触らせて」考察 この映画はあなたの価値観をぶっ壊す

スキン~あなたに触らせて~ 感想と考察

王道に飽きたぁ!

多くの作品を見てきた人ほど、このような思いがあるのではないでしょうか

しかし、あまりにも「王道」から離れすぎた時

そのギャップに興奮できる人と、拒絶を抱く人に分かれると思います

 

今回は普通とのギャップに苦しむ、障がい者達を

遠慮無く豪快に描いた、いろんな意味でギャップだらけの作品をご紹介

 

作品情報

「スキン~あなたに触らせて~」

2017/スペイン

監督:エドゥアルド・カサノバ

出演:マカレナ・ゴメス、アナ・マリア・ポルボローサ、カローナ・バンク、ジョン・コルタジャレナ、カルメン・マチ、カンデラ・ペーニャ、セクン・デ・ラ・ロサ、ほか

上映時間:77分

左下の女の子がSNSに自撮りを投稿したらBANされるシーンがあったけど、ポスターはどうなるんだろう、、

 

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Netflixでみれるよ~

 

目次

 

 

簡単にあらすじ

身体の一部が他人と異なる人々に降りかかる冷たい現実や世間との距離感を、ピンクとパープルのパステルカラーで彩ったファンタジックな映像で描いた異色のダークコメディ。両目を持たずに生まれたラウラは、子どもの頃から娼館で客の相手をさせられている。口と肛門の位置が逆転しているサマンサは、レストランで店員に笑われ、路上ではチンピラに絡まれてしまう。一方、自分の足の存在に違和感を抱くクリスティアンは、足を切断しようと道路に横たわる。

 

良かったところ

1.障がい者ではなく障害者を堂々と描く

24時間テレビや「ワンダー君は太陽」など、障がいを持っているけどがんばって成功する物語が数多くある

 

これらの作品を否定するつもりはないけれそ、少し忖度をしているように感じたり

お涙頂戴的な物を感じる人も少なくないのではないでしょうか

 

この映画は、障がいを持っているけど普通の人のようにがんばろう!とは真逆で

一人の人間として、障害をどう受け入れどう生きるのかが描かれています

 

そのため、障害を持った登場人物に対する忖度が全くない

 

ある人は、親に考えを理解してもらえず罵倒の日々

ある人は、大切な物を盗まれ

ある人は、商売道具として使わされ

ある人は、性犯罪に巻き込まる

 

確実に賛否が分かれる内容だと思うけれど

ここまで障がい者を堂々と描ききった

映画は貴重だと思う

 

2.衝撃展開の連続

 

映画の冒頭から、真っ裸のおばあちゃんに度肝ぬかれます

 

視聴していて

いやいや嘘でしょ、

となる展開が何度も訪れる

 

こんなシーン見たことない!の連続です

興奮しっぱなしでした

 

ただ、正直無理あるでしょ!

って感じるところもあるけれど、、

 

口と肛門が入れ替わった子のお父さんによる

望まない優しさが、かなり心に来ます

 

3.アート性を感じる独特の雰囲気

 

映画全体に他の映画にはない独特なオーラを放っています

 

全体的に背景や衣装がピンクとパープルで構成されており

美しくもあり、汚くもあり、かわいくもあるような独特な雰囲気が

映画全体に流れています

 

はまる人にははまる、世界観

 

 

感想

正直、映画として優れているかといわれたら悩むけど

見ていてとても楽しかった

 

肛門が口にある女の子と、人魚になりたい少年の話しがリンクしたとき

なるほどぉぉ!うぉぉぉ!!って興奮した

 

「障害者」ではなく一人の人間として

忖度なく描いていることに

大きな価値のある映画だと思う

 

登場人物は、悩みの種類が少し変わっているというだけで

自分の意思を持ち

普通の人と同じように

悩みを抱えて生きている

 

目をもたない少女にとって、目はとても美しい物であり

その憧れから宝石を目につけていた

 

それは彼女が、目を持つ健常者に対して強い憧れを抱いており

障害者と健常者の間に大きな壁を感じながらも

それを受け入れられない彼女がいるからなんだと思う

 

映画終盤、彼女は目を持たない自分を受け入れ

健常者との間にある大きな壁を受け入れることになるんだけど

壁があることが分かっているけれどそれでも、分かり合いたい

不可能だと分かっているけれど

あなたの心に触れて、あなたを感じたい

 

そんな思いがタイトル「あなたに触らせて」に込められてるのかなぁと思った

 

 

人魚少年を語りたい!!

 

なぜ彼は人魚になりたかったのか

 

彼の母親は一言で言えば頑固!

彼はそんな親に対抗するため、親の言いなりにならないことを心に決めた!

それは親の強いたレールを歩かない、レールどころか地面すら歩かない!

人魚になってやる!という物だった!!ファンタスティック!!

 

彼はいったいどれだけのストレスを感じていたのだろうか!

それとも父親譲りの物なのだろうか!

 

彼は夢を叶えた

 

自らの脚を破壊した人魚少年!

しかし彼の顔は苦痛ではなく笑みをこぼしていた!

 

映画終盤、夢の中なのか、それとも天国なのか

自分の考えを押し通し、人魚になる事をかなえることができた!

 

その代償に彼は死んでしまったわけだが

人魚になる事を否定し続けた世界は

彼にとって価値のある物ではなかったのかも知れない、、

 

 

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